
限界状態設計法は耐震工学の集大成とも言える最新の構造設計である。安全性に関わる限界状態と使用性に関わる限界状態を計算し、構造骨組が限界状態を超える確率が許容確率以内にあることを確認するものである。鉄道、橋梁設計では既に限界状態設計法が採用されており、許容応力度設計法はまもなくその歴史的役割を終える。限界状態設計法で採用される確率解析は物理学上最も厳密で精度の高い構造設計を可能にする。積雪や暴風、地震の過去100年~500年、あるいは1000年のデータをもとに詳細な確率解析を行う。この次世代の設計法は欧米では既に法制化され、国土交通省もまもなく法的導入を宣言すると言われている。世界の趨勢は限界状態設計法である。現在、当校の受講生の大半が限界状態設計法が学べるコースに入学している。
INDIの教育システムはいたって簡単である。基礎講座からスタートし、演習問題を解いて担当講師に提出する。講師は添削して受講生に返送する。基礎講座終了後は構造計算書の作成トレーニングに入る。テキストをお手本に計算書を作成し、完成したものを順次担当講師に提出する。構造種別ごとに完成した計算書に担当講師の検印をもらう。個人差はあるが卒業までに半年から1年程度である。実務ではテキスト通りに構造計算書を作成すればよい。INDIの卒業証書は、『構造初段』の免状である。堂々たる黒帯である。INDIを卒業すればソフトで出力される計算書は容易に読み取ることが出来る。ソフトによる計算の実践も並行して行うことで構造設計がより鮮明になる。
習字はお手本を真似ることに始まり、仏教は写経に始まる。数学は例題どおりにやれば解き方が得られる。即ち、上達の最も近道は『真似ること』に尽きる。この"極意"は学問もスポーツも趣味も仕事もありとあらゆる分野で共通である。INDIは教育手段として『真似て覚える』を終始貫いている。『基礎講座』は例題どおりに演習問題を解けば容易に解が得られる。『計算実例』はテキストを書き写すだけで構造種別ごとの正式な計算書が出来上がる。勿論、写すとはいえ自分で電卓をたたき根気強い作業を要することは言うまでもない。まずはテキストを目で追って頭で理解する。次は実際に自分で書いて計算書を仕上げる。頭で理解するだけでは身に付かないが、手を動かすことで初めて肚(はら)に落とし込める。少々の根気があれば、あとは手を動かして3回通り真似ればよい。
能力は"脳力"と書いた方がわかりやすい。世界陸上は100mを10秒だが中学の陸上部でも12秒で走るというから筋力の大差はない。一方、頭脳の差は同じ人間でありながらその差は計り知れない。2005年の構造計算書の偽装事件は建物の安全性への信頼を大きく損ねたが、"構造に無知な日本の建築士の実態"という今まで知られていなかった裏事情まで表に出てしまった。建築士法は改正されたが、建築士の"構造ばなれ"の実情は事件前と後では何ら変わるところはない。 意匠専業で構造設計の理解が足りなければ速やかに学習に取り掛かるべきだ。新しい知の備えはより効率的でより生産性の高い方向へと導いてくれる。人は知で成長し進化できるのだ。構造計算は建築士の知の常識であり不可欠な能力である。最後は能力、いや脳力で決まる。
9月1日は防災記念日である。1923年のこの日、関東大震災によって東京は未曾有の被害を受けた。防災記念日には大地震を想定した避難訓練が全国各地で行われる。サイレンの音を合図に幼稚園児から大人まで机の下に逃げ込むのだ。丈夫な4本足と剛な面で構成される机は頼もしいシェルターである。机は1スパン平屋建てに相当する。INDIのテキストは平屋の4本柱を解くことから始まる。構造力学が苦手でも平屋の4本柱を見れば、『ひょっとするとこれなら自分もやれるかも!』と"たかをくくる"わけだ。難しいという先入観を打ち砕き構造計算の勉強へ誘導する心理的な効果も期待出来る。ラーメンの最小モデルが最も有効なアプローチとなる。複雑なモデルを勉強しないと実務には通用しないと思い込んでいる初学者がいるがその考え方は当てはまらない。整形な建物であれ不整形なものであれ、平屋、多層骨組みを問わず部材の応力が異なるだけで断面算定の方法は同じであるからだ。大事なことは部材に生じている応力を正しく知ることである。そこから先は日本建築学会が定めた断面算定のルールに従うだけである。だからこそ応力解析のための静定ばり、不静定ばり、トラス、ラーメンの解き方をしっかりと学習するわけである。固定モーメント法、D値法、たわみ角法は構造設計の常識である。
近年、社員の『リフレッシュ休暇』を設ける会社が増えている。『10日間の特別休暇に報奨金付き』が一般的だが、なかには1ヶ月の休暇を提供する会社もある。休暇の使い道は海外旅行、自己啓発、趣味、ボランティア等様々だが、使い道が分からず寝て費やしたというサラリーマンもいるようだ。さて、建築技術者を抱える建設関連会社のリフレッシュ休暇に最適と言えるものがここにある。当校自慢の『6泊7日合宿セミナー』である。熊本の天然温泉ホテルで毎月開催している合宿セミナーは、『構造設計の実務の習得』と『温泉三昧のリフレッシュ』が同時に得られるスペシャルメニューである。天然温泉による湯治とおいしいご馳走が疲れた体を心身共に癒してくれる夢のような1週間である。『勉強』と『リフレッシュ』という、まさに一挙両得、一石二鳥である。
INDI as No.1